
こんにちは、発達障害グレーの子を持つふくねこ(@FukunekoBlog)です!
中学進学に向けて発達検査(WISC4)を受けたことをきっかけに、診断を受けるか改めて考えました。
結果から言うと、わが家では診断を受けませんでした。
どうしてそう考えたのか、診断を受けるメリット・デメリットを含めて情報を整理しました。
こんな方におすすめ
- 発達障害の診断を受けるかどうか迷っている人
- 発達障害の診断をお子さんに受けさせるかどうか迷っている人
- 発達障害の診断を受けるメリット・デメリットを知りたい人
発達障害グレーゾーンの子を持つ親として、療育・通級など公的なフォローを利用してきた経験をもとに、私の考えをまとめました。
発達障害の方は、それぞれの環境や困り感の程度がちがうので、それぞれで診断に関する考え方も違うでしょう。
それでもお子さんに診断を受けさせるかどうか、またご自身の診断を受けようかどうか、迷っている方の参考になれば嬉しいです。
目次
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1. 発達障害の診断とは?何のために受けるのか?
まず、発達障害の診断を受けるとはどういうことか。
簡単にいうと「発達障害」という診断名が付くというだけです。
高熱が出て病院に行ったら検査されて「インフルエンザ」ですね、と言われるのと同じです。
発達障害には「自閉症スペクトラム」「学習障害」「ADHD」などのタイプがあります。
医師によって多少のばらつきは出ますが、児童精神科・または精神科を受診し、問診・発達検査などを経て、医師が判断します。
受診したとしても、発達障害ではないと言われたり、はっきりとした診断名がつかず「グレーゾーン」で終わってしまうこともあります。
病院を受診した結果
「発達障害」という診断名がつくことが、発達障害の診断をうけるということです。
診断を受けたからといって昨日までの自分と何かが変わるわけではありませんし、困り感がなくなることもありません。
わかりやすいように、名前のなかった困り感や特性に「ラベル」が貼られるイメージですね。
では、何のために発達障害の診断を受けるのか?3つあります。
- 公的・社会的なフォローを受けるため
➡職場や学校で困りごとがあるとき、配慮やフォローが欲しいとき、診断があるとスムーズになる
- 自分の現状把握をするため
➡困り感があってつらい時、自分の特性や傾向を知ることで対策をとることができる
- 学校の先生に「発達障害の診断を受けた方がいい」と言われたから
➡わが家はこのパターンでした。
突然こんなことを言われると親としては受け入れがたい気持ちの方が強いですよね。
それでも、先生にこういわれたら受診した方がいいです。
先生はめったなことでは発達検査を親にすすめません。クレームに繋がるからです。
それでも先生がこう言ってくるということは、子どもが困っているか・子どもの行動で周囲が困っているということです。
逆に、困ってるけど自分で対応できる、公的フォローはいらないという人は、わざわざ診断を受ける必要はありません。
メリット・デメリットを踏まえて、受けたければ受けるというスタンスで問題ありません。
診断を受けること自体が目的ではないし、ゴールではありません。
2. 発達障害の診断を受ける手順
学校に通っているか、そうでないかで手順が少しかわってきますので、年齢順にまとめました。
子供なら児童精神科、大人なら心療内科や精神科ですが、受診したいと思ってもすぐに受診できるとは限りません。
各自治体で差はありますが、3か月待ちという話もよく聞きます。実際に私は初診で3か月半待ちました。
相談だけでも早めにしておくといいですよ。
【0歳~保育園・幼稚園に通う前まで】
step
1自治体の定期健診か、保健センターに相談
➡自治体で行っている1歳半健診などで相談するのが一番スムーズです
健診まで待てないという場合は、自治体の保健センターで相談しましょう
step
2相談して病院の情報や紹介状をもらう
➡自治体の相談員は、発達障害を診断してくれる病院や療育などの情報を持っています
まずは相談して、受診先候補の病院を教えてもらったり、必要ならば紹介状をもらいましょう
step
3病院の予約
➡診察までの待ち時間が長いことが多いです。3か月~6ヶ月待ちも普通です。
自治体が予約を取ってくれることもありますが、基本は自分で予約することが多いようです。
私も病院リストをもらって自分で予約を取りました。
step
3病院受診 ➡ 診断
➡初診は問診・発達検査など時間がかかることが多いです。紹介状があれば持参しましょう。
次は、保育園や学校などの教育機関に通っている年齢のお子さんの場合
まずは学校の担任の先生など、一番身近な人に声をかけて相談先を教えてもらうというパターンが多いです。
【保育園・幼稚園~小中高生】
step
1担任の先生に相談
➡まずは担任の先生に相談して、次の相談先につないでもらいましょう。
担任の先生に、子どもが困っていること・フォローが必要だと考えていることを認識してもらうことにもなります。
スクールカウンセラーさんがいる場合、受診先などの情報を教えてくれることがあります。
step
2病院の予約
➡診察までの待ち時間が長いことが多いです。3か月~6ヶ月待ちも普通です。
予約は受診先候補の病院に、自分で連絡を取って予約することがほとんどです。
step
3病院受診 ➡ 診断
➡初診は問診・発達検査など時間がかかることが多いです。
それ以外の場合は、基本は自分で動くことになるでしょう。
お住まいの自治体で相談窓口があれば、そちらを利用するとスムーズですね。
【学生以外・成人済みの場合】
step
1病院の予約
➡受診しやすい近隣の病院に自分で予約をします。
紹介状を求められるケースもあるようですが、私の場合はなくても大丈夫でした。
かかりつけの病院があるなら、一度相談してみるのもいいですね。紹介状を書いてくれるかもしれません。
step
2病院受診 ➡ 診断
➡初診は問診・発達検査など時間がかかることが多いです。
いずれにしろ、予約から診察・診断まではかなり待たされることを覚悟してください。
予約から受診までの間に、相談したい困りごとや成育歴などをまとめておくと受診がスムーズですよ!
3. 発達障害の診断を受けるメリット
メリットがなければ、わざわざ受診して診断してもらう必要はないですよね。
発達障害と診断されるメリットはシンプルです。
【発達障害の診断を受けるメリット】
- 公的・社会的なフォローを受けられる
➡職場や学校で困りごとがあるとき、配慮やフォローが欲しいとき、診断があるとスムーズになる
子どもに療育を受けさせたい・会社での配慮が欲しいときは、診断書があるとフォローが必要な根拠として目に見える形で示すことができます。
学校や会社は、必要な配慮をしたがらないのが常ですが、診断を受けることによってスムーズな配慮に繋がります。
- 自分の現状把握ができる
➡困り感があってつらい時、自分の特性や傾向を知ることで対策をとることができる
困っているけれども、なぜ自分が困っているのか、原因は何か?自分ではよくわからなかったことが、発達検査や診断でわかる場合があります。
自分のことがわかってくると、困り感への対処法につながります。
診断によって、必要なフォローが受けられるのが一番のメリットですね。
あくまでも、診断はそれ自体が目的ではなく、診断したからもらえる公的サービスが目的です。
自治体によっては、診断がなくてもサービスが受けられることもあります。
しかし診断の有無や障害の程度によって療育などの優先度が変わってきますので、診断を受けておくほうが有利だと思われます。
4. 発達障害の診断を受けるデメリット
診断によって得られる療育や特別支援などのメリットが大きいので、基本的にはメリットを優先したいところです。
【発達障害の診断を受けるデメリット】
- 加入できる保険の選択肢が少なくなる
➡通院や服薬状況を告知する義務があるため、発達障害の人は加入可能な保険商品が限られてきます。
理由は、発達障害の人は健康上のリスクが高い(二次障害での精神疾患など)からです。
【発達障害の人は保険に入れないと言われる理由とは?実際を調べてみた】の記事で詳しく説明しています。
また、保険が必要かどうか専門のファイナンシャルプランナーに相談しておくと安心です。
- 就職先への影響が心配
➡障碍者枠での就職は現状では、フォローが受けられる反面、所得が低いのがネック
ただし、発達障害の強みを生かした職種など、徐々に改善の兆しはある。
※将来を心配するあまり、現状を放置するほうがダメージは大きい。
➡困り感があるならフォローにつなげるべきだし、フォローに必要なら診断すべきです。
- 「障害者というレッテル」
➡障害の受容は、一生ついてまわる問題なのかな?と思います。
私はすでに受け入れたつもりでも、ふいに心が揺れるときがあります。しょうがないですよね、人間だもの。
大事なのは、子どもや自分に必要な支援を取り逃さないことです。
➡世間体が悪いと思うこともあるでしょう。でも「世間体」は何もしてくれません。
「世間体が悪い」と思い込んでいるのは自分だったなあと今なら思います。それでも気にしてしまう気持ちはとてもよくわかります。
あえて書きますが、世間体より大事なのは困り感へのフォローです。
診断を受けなかった、またはグレーゾーンで診断されなかったけど、困りごとはあるという場合もありますよね。
わが家は診断を受けませんでしたが、小学校では通級を利用し自宅でも困りごとへのフォローを行っています。
次は、診断を受けなかったわが家の例をご紹介します。
5. 【わが家の場合】なぜ発達障害の診断を受けなかったのか
わが家の息子は「診断されていない」状態です。
稀なパターンかもしれませんが、こんなこともあるよという一例としてご紹介します。
診断を受けるチャンスは、小学校入学前・中学校入学前の2回ありましたが、どちらも同じ決断になりました。
【発達障害と診断しないことを選んだ理由】
- 発達障害と診断してもこの子が受けられる公的サービスがない
➡発達検査の数値的に、療育手帳などの各種サービスを取得できない
※各自治体によって違うかもしれません。
- 通級や学校へのフォロー依頼は、発達検査の結果と本人・親からの困り感の訴えで受け入れてもらえる状況で、診断は必須ではない
➡自治体や学校で違うと思われます。要確認。
- 数値的にも、本人の希望でも、進学・就職は健常者と同じ土俵で戦うことになるタイプ。
➡フォローを受けられないので、診断による偏見で不利になるかもしれない
- 教育センターやスクールカウンセラーなど、診断がなくても相談できるところがある
➡相談したりアドバイスをもらうのに、診断の有無は関係ありません
中学進学に備えて受けた検査結果(WISC4)の結果から、医師からは「診断しようと思えば診断できる数値だけど、診断するメリットがない」と言われたことは大きかったです。
また幸いにも住んでいる自治体は、発達検査の結果と親や教師からの申し出だけで診断書がなくても配慮してもらえる環境でした。
校内のスクールカウンセラーやいじめ対策室など、相談先も複数確保。
相談先でアドバイスをもらい、家庭でも困り感への対応に取り組んでいます。
例えば、役に立っているワークブックはこちら⇩
実行機能力ステップアップワークシート
本人の思い込みや予想に対して、現実はどうなのか?すり合わせを行うのが面白いです。
ワークを読む ➡ 予想する ➡ 実際に試す ➡ 振り返り
行程が長いので、休日に遊びがてらやってみるといい感じのワークです。
すぐに結果がでるわけではなく、経験をさせることで色んなシチュエーションに対応できようになると良いなと思っています。
教えて、明橋先生! 何かほかの子と違う? HSCの育て方 Q&A
自閉症スペクトラムのわが子ですが、HSCの特徴も強く持っています。
発達障害ゆえの困りごとも、HSCの困りごとと重なることが多いです。
この本は親の勉強用と、学校の先生へのHSC布教のために購入しましたが、巻末の【教育関係者へのページ】が本人の特性理解に役立ちました。
マンガと文章で説明されているので、ぱっと見て状況が理解できるし、対処方法もわかりやすいです。
引っ込み思案な子が自分から先生に「こうしてくれると助かります」と言えるようになったキッカケの本です。
1日5分! 教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレーニング122
中学生あたりから大人まで使えるワークブック
遊び感覚で短時間でできるものがあります。
目に見えないもの、気持ちや状況などを言語化する言葉の力が弱いわが子の役に立ってほしいと期待。
認知して、考えて、考えたことを伝える。頭だけでなく、身体の動かし方などへのフォローもありました。
こちらもすぐに成果が目に見えるものではないです。種をまいて耕せば、忘れたころに収穫できる。そんな気持ちで取り組んでいます。
現状はこのまま取り組み、対処が難しくなったり状況に変化があれば、受診して再度相談するつもりです。
診断はしてもいいし、しなくてもいいけれど、困りごとへの対応をしっかりやっていきたいですね。
6. 発達障害の診断をうけるべきか・まとめ

発達障害の診断についてまとめました。
- 公的なフォローが欲しいなら、診断を受けた方がいい
- 診断を受けない場合、困りごとがあれば自分で対処する必要がある。
診断を受けるかどうかは、この2つがポイントになります。
どちらを選んでも、間違いということはありません。
生きやすいと感じる方を選んで、それぞれに困り感に対応できるといいですね。
発達障害の方、発達障害の家族を持つ方の参考になれば嬉しいです。
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